毎日ダイエットに励んでいるのに、思うように体重が落ちない。
もしかすると、その原因は「睡眠」にあるかもしれません。
睡眠時間が足りていないと、代謝が落ちて脂肪の燃焼も鈍くなるうえ、食欲が増して食べ過ぎにつながる恐れがあるのです。
さらに、睡眠不足が慢性化するとホルモンバランスも乱れ、体重が減りにくい状態に陥ってしまいます。
この記事では、ダイエット中に必要な睡眠時間や、睡眠の質を高める具体的なテクニックなどを紹介します。
痩せやすい体をつくるために、今日から「眠り方」も見直していきましょう。
Contents
ダイエット中の睡眠は何時間が理想?6〜8時間が目安

睡眠とダイエットには、実は密接な関係があります。
睡眠不足が続くと、食欲をコントロールするホルモンバランスが乱れ、太りやすい体質に傾いてしまう可能性があります。
では、どのくらいの睡眠時間が健康的なダイエットを支えてくれるのでしょうか。
以下では、厚生労働省の推奨値や、実際の研究データをもとに、理想的な睡眠時間について詳しく解説しています。
厚生労働省は6〜8時間以上の睡眠を推奨している
厚生労働省の健康づくりのための睡眠指針では、成人には6〜8時間の睡眠が推奨されています(※1)。
この時間は、多くの研究データに基づいて設定された目安です。
一方で睡眠時間が6時間未満の人は、生活習慣病のリスクが高まることが分かっています(※1)。
とはいえ、睡眠時間には個人差があり、6時間未満で調子が良い人もいれば、8時間以上の睡眠が必要な人もいます。
体調や日中の眠気などを目安に、最適な睡眠時間を見つけることが大切です。
睡眠時間5時間以下の人は肥満のリスクが高まる
韓国の成人8,717名を対象にした調査で、1日5時間未満の睡眠はBMIや腹囲が高くなる傾向が明らかになりました。
とくに、7時間睡眠と比較して、全身・腹部肥満ともに有意にリスクが上昇していました(※2)。
この結果は、レプチンやグレリンのバランスが崩れたことが、要因のひとつと考えられるでしょう。
レプチンは満腹感を伝えるホルモン、グレリンは空腹感を促すホルモンとして働きます。
睡眠不足になると、レプチンが減少し、グレリンが増加してしまいます。
結果、食べ過ぎやすくなるのです。
さらに、睡眠不足は疲労感を生み、運動する気力も低下させます。
ダイエット中なのに何時間も寝ていない人は、まず睡眠時間を確保することが大切です。
夜更かしの習慣がある人は、就寝時間を30分ずつ早めていくと良いでしょう。
睡眠時間を5時間から6時間以上に増やすだけでも、体重管理がしやすくなるはずです。
ダイエット中は何時間寝ても質が悪いと逆効果?快眠を目指す5つのポイント

ダイエット中でも快眠を得るためのコツは以下の5つです。
- 22時までには寝る
- 睡眠の2時間前に入浴する
- 起きたら朝日を浴びる
- 部屋を綺麗にしておく
- 栄養バランスの取れた食事を心がける
質の悪い睡眠は、成長ホルモンの分泌を妨げて脂肪燃焼を阻害します。
ダイエットを成功させるには、睡眠時間だけでなく質も重視する必要があります。
コツ1.22時までには寝る
成長ホルモンの分泌は、22時から深夜2時にかけて最も活発になるとされています(※3)。
この時間帯は「睡眠のゴールデンタイム」とも呼ばれ、脂肪の分解や筋肉の修復が効率的に行われる重要なタイミングです。
とくにダイエット中は、成長ホルモンをしっかり分泌させることが重要であり、そのためにはこの時間帯に質の良い睡眠をとることが成果に直結します。
22時に寝るのが難しい場合でも、遅くとも23時までには布団に入る習慣を目指しましょう。
早寝を実現するには、寝る3時間前にはスマートフォンやPCを控えることがカギです。
ブルーライトは脳を刺激し、眠気を遠ざけてしまいます。
また、夕食は19時までに済ませておくと、消化が落ち着いてスムーズに眠りにつきやすくなります。
まずは「22時就寝」を理想の目標として、無理のない範囲で生活リズムを整えていきましょう。
コツ2.睡眠の2時間前に入浴する
睡眠の2時間前に10分の入浴をすることで、睡眠の質が高まるといわれています(※4)。
お風呂の温度は39度が理想です。
41度など、熱すぎるお湯は交感神経を刺激し、かえって目が覚めてしまいます(※5)。
交感神経とは、体を活動的にする自律神経のひとつです。
シャワーだけで済ませている人は、週に3回は湯船につかるようにしましょう。
質の良い睡眠を確保することで、ダイエット中でも体重をコントロールしやすくなります。
コツ3.起きたら朝日を浴びる
朝日を浴びると、セロトニンという覚醒ホルモンが分泌されます。
セロトニンとは、気分を安定させ活動的にする物質のことです。
このセロトニンは、夜になるとメラトニンという睡眠ホルモンに変わります。
メラトニンの分泌がスムーズに行われることで、寝つきがよくなり、深い睡眠が得やすくなるのです。
朝日を浴びる時間は15〜30分程度で十分です。
カーテンを開けて窓際で朝食を取るだけでも効果があります。
朝の光を取り入れることで、心も体も整いやすくなり、夜は質の高い睡眠につながります。
コツ4.部屋を綺麗にしておく
寝室を整えておくことは、睡眠の質を高めるうえで重要です。
散らかった空間は視覚的な刺激が多く、無意識のうちに緊張感を高めてリラックスを妨げてしまいます。
とくに就寝前に目に入る範囲は、すっきりと片付いた状態を保つのが理想です。
シーツは週に1回、枕カバーは2〜3日に1回を目安に洗濯し、肌触りや香りにも気を配りましょう。
ラベンダーやカモミールなどのアロマオイルを取り入れることで、落ち着いた空間を作りやすくなります。
コツ5.栄養バランスの取れた食事を心がける
栄養バランスの取れた食事は、良質な睡眠につながります。
とくにトリプトファンという必須アミノ酸を含む食品を摂ることが大切です。
トリプトファンとは、睡眠ホルモンであるメラトニンの原料となる栄養素のことです(※6)。
トリプトファンは、大豆製品や乳製品、バナナやナッツ類に多く含まれています。
ビタミンB6やマグネシウムも、睡眠の質を高める栄養素です。
ダイエット中はカロリーだけではなく、食事バランスも意識しましょう。
ダイエット効果を高めるための栄養バランスについて、詳しく知りたい人は以下の記事が参考になります。
ダイエット中に意識したい栄養バランスの基本!朝・昼・晩の食事メニューも紹介
ダイエット中に睡眠の質を下げないために意識したい3つの注意点

ダイエット中に睡眠の質を下げないために意識したい注意点は以下の3つです。
- 寝る前はスマホを見ない
- 寝る5時間前からはカフェインの摂取を控える
- アルコールを控える
これから紹介する3つの注意点を守れば、ダイエット中でも質の高い睡眠を確保しやすくなります。
注意点1.寝る前はスマホを見ない
スマホから発せられるブルーライトが、メラトニンの分泌を抑制してしまいます。
メラトニンとは、眠気を誘う睡眠ホルモンのことを指します。
ブルーライトを浴びると、脳が覚醒状態になってしまうのです。
睡眠の質を下げないためには、就寝の3時間前にはスマホの使用を控えるのが理想です(※7)。
とはいえ、寝る3時間前にスマホを触らないのは、現実的に考えて難しいでしょう。
できれば、就寝の1時間前、遅くても30分前にはスマホを控えることをおすすめします。
ダイエット中の睡眠時間を有効活用するには、スマホとの向き合い方を見直すことも重要です。
注意点2.寝る5時間前からはカフェインの摂取を控える
カフェインの摂取は、寝る5時間前までに済ませるようにしましょう。
カフェインの覚醒作用は、摂取してから4〜5時間も持続するためです(※8)。
コーヒーだけでなく、緑茶、紅茶、エナジードリンクにもカフェインが含まれています。
22時に寝る場合、遅くても午後5時以降はカフェインを避けるのがおすすめです。
注意点3.アルコールを控える
アルコールは睡眠の質を低下させるため、ダイエット中は控えめにしましょう(※9)。
お酒を飲むと入眠しやすいため、睡眠の質が高まると思われがちですが、実は浅い眠りになってしまいます。
アルコールには、レム睡眠という深い眠りを妨げてしまう作用があるのです。
さらに、アルコールには利尿作用があり、夜中に何度も目が覚める原因になります。
どうしても飲みたい場合は週に1〜2回、少量に留める程度にしましょう。
ダイエット中の睡眠は「何時間寝るか」と「どう寝るか」が成功のカギ

ダイエットを成功させるためには、運動や食事と同じくらい、適切な睡眠時間の確保も欠かせません。
5時間未満の睡眠は肥満リスクを高めることがわかっています(※2)。
厚生労働省は6〜8時間の睡眠を推奨しているため、とくにダイエット中はこの時間を確保するようにしましょう(※1)。
また、質の高い睡眠時間を確保するには、22時までに就寝する、朝日を浴びるなどの生活習慣も大切です。
さらに、寝る前のスマホやカフェイン、アルコールなどの刺激を控えることも欠かせません。
睡眠を見直すことで、体の回復力や脂肪燃焼効率が高まり、ダイエット効果を引き出せるはずです.
内容の正確性を保つため、以下の信頼できる情報源をもとに記事を作成しています。
※5:お風呂の疲労回復効果を高める入浴法はありますか? | 一般社団法人日本リカバリー協会
※6:飲酒|厚生労働省
※7:23.快適な睡眠で健やか生活|一般財団法人 京浜保健衛生協会
※8:睡眠に関する地域保健活動実践ガイドブック|日本看護協会リポジトリ(PDF資料)