「ダイエットに集中したいのに、最近眠れなくて体がだるい」
そんな不調に悩まされていませんか。
実は、ダイエット中に起きる「眠れない症状」は、単なる気のせいではなく、食事制限や生活リズムの変化が関係している可能性があるのです。
夕方以降の運動や寝る前のカフェイン摂取などは、快眠を妨げる代表的な原因です。
このままでは、疲労が蓄積し、ストレスで過食に走るという悪循環に陥ってしまうかもしれません。
この記事では、ダイエット中に眠れない原因や改善策、NG習慣まで紹介します。
頑張っているあなたが、しっかり眠って効率よく痩せるためのヒントが見つかるので、ぜひ最後までお読みください。
Contents
ダイエット中に眠れない5つの原因
ダイエット中に眠れない主な原因は以下の5つです。
- 空腹時間が長くストレスがかかっている
- 夕方以降の運動で交感神経が優位になっている
- 空腹で交感神経が刺激されて目が冴えている
- カフェイン摂取量が増えている
- 食事制限でホルモンバランスが変化している
睡眠不足は代謝を低下させ、痩せにくい体質を作ってしまうこともあります。
ダイエット中に眠れない原因を理解することで、質の良い睡眠を取り戻し、健康的に痩せる方法が見つかるはずです。
ダイエット中に眠れない原因1.空腹時間が長くストレスがかかっている
極端な食事制限により、心身にストレスがかかると、ストレスホルモンであるコルチゾールが過剰に分泌されるようになるのです(※1)。
コルチゾールは本来、朝に多く分泌されて夜には減少するホルモンですが、空腹(ストレス)が続くと夜間も分泌量の多い状態が続きます。
このホルモンバランスの乱れが、寝つきの悪さや中途覚醒の原因となっているのです。
以上のことから、適度な満腹感は、良質な睡眠に欠かせない要素といえます。
ダイエット中に眠れない原因2.夕方以降の運動で交感神経が優位になっている
夕方以降の激しい運動は、交感神経を活発にして体を興奮状態にしてしまいます。
交感神経とは、体を活動的にする自律神経のひとつです。
本来なら夜には副交感神経が優位になり、リラックスモードに切り替わるべきですが、運動によってこのリズムが崩れてしまうのです。
運動後は体温も上昇し、なかなか下がらないため寝つきが悪くなります。
ダイエット中に眠れない原因3.空腹で交感神経が刺激されて目が冴えている
空腹になると血糖値が下がり、それを補うためにアドレナリンなどの覚醒物質が分泌されます。
これらの覚醒物質は交感神経を刺激し、体を活動モードに切り替えてしまうため、眠気が遠のいてしまうのです。
とくに夕食を極端に減らしたり抜いたりすると、寝る時間になっても交感神経が優位になり、頭が冴えて眠りに入りにくくなります。
ダイエット中でも、寝る2〜3時間前に消化の良い軽食を少量摂ることで、交感神経への刺激を防ぎ、自然な眠気を得やすくなるでしょう。
ダイエット中に眠れない原因4.カフェインを摂取している
カフェインには食欲をおさえる作用があるため、ダイエット中は頼りがちになってしまいます。
しかし、カフェインの覚醒作用は摂取後4〜5時間も続きます(※2)。
そのため、夕方に摂取したカフェインが、その日の睡眠に影響を与えてしまうこともあるのです。
眠れない日が続く場合は、遅くても、眠る5時間前にはカフェインの摂取を控えましょう。
ダイエット中に眠れない原因5.食事制限でホルモンバランスが変化している
過度な食事制限を行うと、ホルモンバランスが乱れやすくなり、睡眠に関わるホルモンの分泌にも影響を与えます。
たとえば、炭水化物を極端に減らすことで、セロトニンという神経伝達物質の材料が不足しがちになります。
セロトニンは気分を安定させ、睡眠ホルモンであるメラトニンの原料にもなる重要な物質です。
さらに、脂質を過度に制限するとホルモンの生成に必要な材料が不足し、体内のバランスが崩れてしまいます。
女性の場合、月経周期が乱れることもあり、それが不眠を引き起こす一因となることもあります。
健康的なダイエットを続けるためにも、三大栄養素をバランスよく摂取することは欠かせません。
ダイエット中に眠れないことで生じる3つの悪影響
ダイエット中に眠れないことで生じる悪影響は主に以下の3つです。
- 食欲を抑えるホルモンが減少する
- 代謝が下がり脂肪が燃焼しづらくなる
- ストレスでドカ食いつながる
ダイエット中の睡眠不足は、単に疲れが取れないだけの問題ではありません。
実は、眠れないことがダイエットの成功を妨げる大きな要因になっていることもあるのです。
眠れないことで生じる悪影響を理解することで、睡眠の重要性を再認識できるため、ダイエットを成功に導くためのヒントが見つかるでしょう。
悪影響1.食欲を抑えるホルモンが減少する
睡眠不足になると、レプチンという食欲をおさえるホルモンの分泌が減少してしまいます。
レプチンは満腹感を感じさせ、食べ過ぎを防ぐ役割を持つ大切なホルモンです。
一方で、グレリンという食欲を増進させるホルモンは、逆に増加してしまうのです。
つまり、睡眠不足は過食を誘発するということ。
実際、アメリカで行われた研究では、健康な成人を対象に「5.5時間睡眠」と「8.5時間睡眠」の条件を比較したところ、睡眠時間が短いグループは1日あたり約221kcalも間食が増えることが明らかになりました(※3)。
せっかくダイエットを頑張っていても、眠れないことで食欲が暴走し、努力が水の泡になるのはもったいないことです。
睡眠時間はできるだけ確保するように意識しましょう。
ちなみに、厚生労働省は最低でも6時間以上の睡眠を推奨しています(※4)。
足りていない人は最低ラインを目指すところからはじめてみてはいかがでしょうか。
悪影響2.代謝が下がり脂肪が燃焼しづらくなる
睡眠中には成長ホルモンが分泌され、脂肪の燃焼や筋肉の修復が行われます。
しかし、睡眠不足になると成長ホルモンの分泌量が減少してしまうのです(※5)。
成長ホルモンは大人になっても分泌され、基礎代謝を高める重要な役割を担っています。
また、睡眠不足は体温調節機能にも影響を与え、日中の体温が上がりにくくなります。
体温が低いと基礎代謝も下がり、同じ活動をしてもカロリー消費量が減ってしまうのです。
さらに、ダイエット中に眠れない状態が続くと、疲労が蓄積して運動のパフォーマンスも落ちやすくなります。
これでは、ダイエットのために運動をしても、十分な効果が得られなくなってしまうでしょう。
悪影響3.ストレスでドカ食いつながる
睡眠不足が続くと、イライラしやすくなったり、感情のコントロールが難しくなったりします。
これは、理性を司る脳の「前頭前野」の働きが低下するからです。
前頭前野は、衝動的な行動を抑えるブレーキのような役割を持っており、ここが弱まると、食べ物を我慢しづらくなってしまうのです。
その結果、「ダイエット中なのに甘いものに手が伸びる」「お腹が空いていないのに何か食べたくなる」といったドカ食いに繋がってしまいます。
気持ちのゆるみだけでなく、脳の機能が関係しているからこそ、睡眠不足はダイエットの大敵といえます。
ダイエット中でもぐっすり眠るための対策4選
ダイエット中でもぐっすり眠るための対策は以下の4つです。
- 夕食時間を就寝3時間前に調整する
- 糖質は少量でも摂る
- 夜のカフェインは避ける
- ストレッチで副交感神経を優位にする
ダイエット中に眠れない悩みは、正しい対策を取ることで改善につながります。
無理なく続けられる対策ばかりなので、自分のライフスタイルに合わせて取り入れてみてください。
対策1.夕食時間を就寝3時間前に調整する
夕食から就寝までの時間を3時間程度空けることで、消化による体への負担を減らせます。
食べ物が胃に残ったまま横になると、消化活動で体が休まらず、眠りが浅くなってしまうのです。
とはいえ、空腹すぎても眠れなくなるため、適度な食事量を心がけることが大切です。
夕食では、消化に良いタンパク質や野菜を中心に、腹八分目を意識しましょう。
どうしても遅い時間になってしまう場合は、分食という方法もおすすめです。
夕方に軽食を取り、帰宅後は消化の良いスープなどで済ませるとよいでしょう。
このリズムを続けることで、体内時計も整い、自然と眠気が訪れるようになります。
対策2.糖質は少量でも摂る
ダイエット中でも、夕食で適量の糖質を摂ることは良質な睡眠につながります。
糖質は、脳内でセロトニンという物質を作るために必要な栄養素です。
セロトニンは、睡眠ホルモンであるメラトニンの材料になります。
完全に糖質をカットしてしまうと、このメカニズムの働きが弱くなってしまいます。
お茶碗半分程度のご飯や、小さめのさつまいもなど、少量でも構いません。
夜の糖質を完全に断つのではなく、量と質を調整することが、ダイエットと快眠の両立につながるのです。
対策3.夜のカフェインは避ける
ダイエット中に眠れない人は、夕方以降のカフェイン摂取を控えることで、夜の寝つきが良くなります。
カフェインの覚醒作用は思っている以上に長く、摂取後4〜5時間も続くのです(※2)。
コーヒーだけでなく、緑茶、紅茶、ウーロン茶にも意外とカフェインは含まれています。
代わりに夕方以降は、ノンカフェインのハーブティーや麦茶、ルイボスティーなどを選びましょう。
とくにカモミールティーは、リラックス効果があり、眠りを誘う作用も期待できるのでおすすめです。
ダイエット中は水分補給も重要ですが、眠れない状態を防ぐためにも、カフェインフリーの飲み物を意識的に選ぶようにしましょう。
対策4.ストレッチで副交感神経を優位にする
ストレッチには、固まった筋肉をほぐして体の緊張をゆるめる効果があります。
リラックスした状態で呼吸が深まることで、自然と心拍も落ち着いていきます。
こうした変化が副交感神経を優位にさせ、眠れない夜から抜け出すための入眠スイッチとなってくれます。
ポイントは、激しい動きではなく、深呼吸をしながらゆったりと行うこと。
とくに股関節や肩まわりなど、疲れがたまりやすい部位を中心に伸ばすのがおすすめです。
就寝前のリラックスタイムを作ることで、副交感神経が優位になり、自然と眠くなります。
ダイエット中に余計眠れなくなる3つのNG習慣
ダイエット中に余計眠れなくなるNG習慣は以下の3つです。
- 寝る直前のスマホいじり
- 夕食抜きの極端なカロリー制限
- 夜の筋トレやランニング
実は、ダイエット中に痩せたい一心で始めた習慣が、眠れない原因を作り出している可能性もあるのです。
自分に当てはまる習慣がないか、チェックしてみてください。
NG習慣1.寝る直前のスマホいじり
スマホから発せられるブルーライトは、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を抑制してしまいます(※6)。
メラトニンは、自然な眠気を誘う大切なホルモンです。
また、SNSでダイエット成功者の投稿を見て焦ったり、比較してストレスを感じたりすることもあるでしょう。
脳が興奮状態になると、なかなか寝つけなくなってしまいます。
理想は、就寝1時間前からスマホを見ないようにすることです。
空いた時間は、読書や日記を書くなど、目に優しい活動を取り入れてみてください。
NG習慣2.夕食抜きの極端なカロリー制限
極端なカロリー制限は、ダイエット中に眠れない状態を引き起こす代表的な原因です。
空腹が続くと血糖値が下がり、体は危機を感じてアドレナリンなどの覚醒物質を分泌します。
つまり、興奮状態になってしまうことで、眠りづらくなるというわけです。
また、夕食を抜くと、ストレスから翌朝の過食につながりやすくなってしまいます。
眠れない夜を防ぐには、夕食を軽めに調整するのがコツです。
野菜スープや豆腐料理など、ダイエット中でも満足感のある低カロリー食が適しています。
できるだけ胃に優しい素材を使ったメニューを意識すると、消化もスムーズになり睡眠の質が上がります。
NG習慣3.夜の筋トレやランニング
激しい運動は、交感神経を活発にして体を興奮状態にしてしまいます。
また、運動後は体温が上昇し、下がるまでに2〜3時間かかることもあります。
体温が高いままでは、深い眠りに入れません。
ダイエットのための運動は大切ですが、タイミングを誤ると眠れない夜を招くリスクが高くなります。
どうしても夜しか運動時間が取れない人は、ヨガやストレッチなどの軽い運動に切り替えましょう。
朝や昼休みに運動時間を設けられるのであれば、それが理想です。
ダイエット中にどうしても眠れない場合は睡眠外来や医師に相談するのもあり
ダイエット中に眠れない状態が続き、日常生活に支障が出ている場合は、専門家への相談を検討しましょう。
自己判断で対処し続けるよりも、医師のアドバイスを受けることで、根本的な解決につながることがあります。
また、不眠の背景に別の健康問題が隠れていないかも確認してもらえます。
医師に相談することは決して大げさなことではありません。
健康的なダイエットを成功させるには、眠れない状態を放置せず、専門家のサポートを受けることも重要な一歩です。
ダイエット中に眠れない原因と解決策を知って快眠習慣へ
ダイエット中に眠れない原因は、長時間の空腹やカフェインの摂取、ホルモンバランスの乱れなど、さまざまな要因が複雑に絡んでいます。
眠れない夜が続くと、レプチンや成長ホルモンの分泌が低下し、脂肪が燃えにくくなるだけでなく、食欲が増すという悪循環に陥ってしまいます。
一方で、夕食の時間を調整したり、ストレッチで副交感神経を整えたりすることで、睡眠の質は十分に改善可能です。
ダイエット中だからこそ、睡眠という「見えない努力」がダイエット成功のカギを握っているといえます。
睡眠を妨げている習慣を見直し、今日からできる対策を実践することで、痩せるリズムが整い始めるはずです。
内容の正確性を保つため、以下の信頼できる情報源をもとに記事を作成しています。
※1:コルチゾールからストレスを知る|公益社団法人日本心理学会
※2:睡眠に関する地域保健活動実践ガイドブック|日本看護協会リポジトリ(PDF資料)
※5:Vol.18:「寝る子は育つ」は子どもだけにあらず!「よくない睡眠」がからだに及ぼす影響とは | 医療法人 澄心会 豊橋ハートセンター