ダイエット

極端なカロリー制限が引き起こす3つのリスク!実際にあった失敗談も紹介

「早く痩せたい」という焦りから、極端なカロリー制限に走ってしまっていませんか。

摂取カロリーが基礎代謝を下回るほどの制限は、一見、効率的なダイエット法です。

しかし、実際には筋肉の減少やホルモンバランスの乱れ、ドカ食いといったリスクが潜んでいます。

このような極端なカロリー制限を続ければ、体はエネルギー不足に陥り、健康を損なうどころかリバウンドの原因にもなってしまいます。

そこで本記事では、極端なカロリー制限によって起きる代表的な3つのリスクと、実際にあった失敗談をもとにその危険性を徹底解説

さらに、健康的に痩せるための適正なカロリー管理や栄養バランスの考え方についても紹介しています。

極端なカロリー制限に頼らず、無理なく続けられるダイエット法を見つけるヒントとして、ぜひ最後までご覧ください。

極端なカロリー制限とは「摂取カロリーが基礎代謝を下回っている状態」を指す

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極端なカロリー制限の定義は曖昧ですが、摂取カロリーが基礎代謝を下回っていることがひとつの目安です。

基礎代謝とは、何もしなくても生命維持のために消費されるエネルギーのことです。

厚生労働省が発表している年齢ごとの基礎代謝量は以下のとおりです(※1)。

男性の基礎代謝量

年齢 基礎代謝基準値 (kcal/kg体重/日) 基準体重 (kg) 基礎代謝量 (kcal/日)
18〜29歳 24.0 63.0 1,510
30〜49歳 22.3 68.5 1,530
50〜69歳 21.5 65.0 1,400
70歳以上 21.5 59.7 1,280

女性の基礎代謝量

年齢 基礎代謝基準値 (kcal/kg体重/日) 基準体重 (kg) 基礎代謝量 (kcal/日)
18〜29歳 22.1 50.6 1,120
30〜49歳 21.7 53.0 1,150
50〜69歳 20.7 53.6 1,110
70歳以上 20.7 49.0 1,010

この数値を下回るような食事制限は、まさに極端なカロリー制限に該当します。

極端な制限をすると、筋肉が分解されてエネルギーに変わってしまいます。

結果として基礎代謝が下がり、かえって痩せにくい体質になるという悪循環に陥るのです。

極端なカロリー制限は短期間で体重の減少は見込めますが、長期的なリスクが高いことを理解してから、取り組むかどうかを判断しましょう。

極端なカロリー制限が引き起こす3つのリスク

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極端なカロリー制限が引き起こすリスクを以下の3つ紹介します。

  • 筋肉量の低下で基礎代謝が落ちる
  • ホルモンバランスが崩れて体調を崩す
  • ストレスと反動でドカ食いを招く

極端なカロリー制限を取り入れるかどうかの判断は、リスクを理解してからでも遅くはありません

極端なカロリー制限が引き起こす3つの主要なリスクについて詳しく解説していきます。

極端なカロリー制限が引き起こすリスク1.筋肉量の低下で基礎代謝が落ちる

カロリー制限が極端になると、体はエネルギー不足を補うために筋肉を分解(筋肉が減る)し始めます

当然、筋肉が減れば減るほど、同じ量を食べても太りやすくなってしまいます。

とくに筋トレをしている人にとって、筋肉の減少は大きな後退となります。

体重が減っても、それが筋肉の減少によるものなら、見た目の引き締まりも失われてしまうでしょう。

健康的に痩せるには、筋肉を維持しながら脂肪を減らすことが重要です。

極端なカロリー制限が引き起こすリスク2.ホルモンバランスが崩れて体調を崩す

極端なカロリー制限は、体内のホルモンバランスに悪影響を与えます。

とくに甲状腺ホルモンの分泌が低下し、代謝機能全体が落ち込んでしまうのです。

甲状腺ホルモンは、体温調節や心拍数、消化機能など、生命維持に欠かせない役割を担っています。

女性の場合は、生理不順や無月経といった症状が現れることもあります。

男性は、テストステロンの分泌が減少し、筋肉がつきにくくなったり、疲労感が抜けづらくなったりすることも。

体の内側が乱れると、ダイエットの成果も遠のいてしまいます。

極端なカロリー制限が引き起こすリスク3.ストレスと反動でドカ食いを招く

極端なカロリー制限は、大きなストレスとなり、結果的にドカ食いを引き起こします

ドカ食いをした後の罪悪感から、さらに極端な制限をかけるという悪循環に陥る人も少なくありません。

また、ドカ食いは急激な血糖値の変動により、イライラや集中力の低下も引き起こす可能性があります。

健康的なダイエットでは、適度な満足感を得ながら続けることが成功への近道となります。

実際にあった極端なカロリー制限の失敗例3選

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「早く痩せたい」「少しでもカロリーを減らせば効果が出るはず」

そんな思いから、極端なカロリー制限に走ってしまう人は少なくありません。

しかし、短期間での成果の裏には、心と体への大きな代償が隠れています

ここでは、実際にあった3つの失敗談を紹介します。

失敗例1.3kg痩せたけど2週間後に5kgリバウンド

埼玉県在住・Kさん(営業事務/28歳)
短期間で痩せたくて、1日800kcal以内に抑える生活を2週間続けました。

最初はスルスル体重が落ちて3kg減。だけど食欲が爆発して、お菓子と炭水化物を止められなくなり、2週間でまさかの5kg増。

結局、始める前より太ってしまいました。体も重く、メンタルもガタガタです。

失敗例2.肌荒れや便秘、疲労感で日常生活に支障が出た

大阪府在住・Yさん(保育士/31歳)
糖質をほぼゼロにする極端な食事制限を3週間ほど続けた結果、便秘がひどくなって肌もボロボロ。

毎日だるさが抜けず、仕事中も集中力が落ちてミスが増えました。

見た目は多少痩せたけど、体の不調のせいで、得たものはゼロに感じます。美容にも健康にも逆効果でした。

失敗例3.食べるのが怖くなり摂食障害寸前に

福岡県在住・Mさん(大学生/22歳)
SNSで「1日500kcalダイエット」に憧れて真似したら、食べること自体に罪悪感を抱くようになりました。

体重は確かに減ったけど、食事のたびに自己嫌悪。徐々に食べ物を避けるようになり、周囲から「大丈夫?」と心配されるほどに。

振り返ると本当に危なかったとゾッとします。

健康的に痩せるには適正なカロリー管理が大切

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健康的なダイエットのカギは、極端なカロリー制限に頼るのではなく、適正なカロリー管理を行うことにあります。

基礎代謝を下回るような過度な制限は、体に負担をかけるだけでなく、リバウンドの原因にもなってしまいます

大切なのは、自分の体が必要とするエネルギー量を把握し、そこから無理のない範囲でカロリーを調整することです。

ここでは、健康的に痩せるための適正なカロリー管理について、具体的な目安を解説します。

1日の摂取カロリーの目安はどれくらい?

以下の表は、活動レベルに応じた、1日に必要な摂取カロリーの目安です(※2)。

※身体活動レベル(低い):生活の大半が座位で、活動量が少ない場合
※身体活動レベル(ふつう):座位中心だが、移動・家事・軽い運動を含む場合
※身体活動レベル(高い):移動や立位が多い仕事、または運動習慣がある場合
年齢区分 男性(低い) 男性(ふつう) 男性(高い) 女性(低い) 女性(ふつう) 女性(高い)
18〜29歳 2,250 2,600 3,000 1,700 1,950 2,250
30〜49歳 2,350 2,750 3,150 1,750 2,050 2,350
50〜64歳 2,250 2,650 3,000 1,700 1,950 2,250
65〜74歳 2,100 2,350 2,650 1,650 1,850 2,050

ダイエット中は、ここで示された数値よりも少ないカロリーを摂ることで、徐々に体脂肪を落としていけます。

極端なカロリー制限を避けるためにも、いきなり大幅に減らすのではなく、100kcalずつ段階的に調整していく方法がおすすめです。

たとえば、18〜29歳の男性で身体活動レベルが「ふつう」の場合、推奨される摂取カロリーは2,600kcal。

ここから100kcal引いて、まずは2,500kcalで体重の変化を観察してみましょう

結局のところ、最適な摂取カロリーは人それぞれ異なります。

無理なく続けながら、自分の体が反応するラインを見極めていくことが、健康的なダイエットへの近道です。

栄養バランスを意識する

ダイエット中はカロリーの量だけでなく、「何を食べるか」も重要です。

とくに意識したいのが、三大栄養素(PFC)のバランスです。

理想的な割合は、タンパク質13〜20%・脂質20〜30%・炭水化物50〜65%とされています(※3)。

どれかひとつを極端に減らすのではなく、満遍なく栄養を摂ることが、代謝やホルモンの働きを支え、健康的に痩せるための土台となります。

ダイエット中の栄養バランスについて、詳しく知りたい人には以下の記事が参考になります。

ダイエット中に意識したい栄養バランスの基本!朝・昼・晩の食事メニューも紹介

極端なカロリー制限はダイエットに逆効果

極端なカロリー制限はダイエットに逆効果をイメージできる画像

極端なカロリー制限は、一時的な減量効果が期待できます。

しかし、筋肉の分解やホルモンバランスの乱れ、ストレスによるドカ食いなど、多くのリスクが伴うのも事実です。

実際に、体調を崩したり、リバウンドで以前より太ってしまったケースも少なくありません。

健康的なダイエットを継続するためには、自分の基礎代謝を理解したうえで、無理のない範囲でカロリーをコントロールすることが重要です。

体重の数字だけに囚われず、長く続けられる習慣こそがダイエット成功のカギです。

焦らず、自分に合った方法を見つけていきましょう。

内容の正確性を保つため、以下の信頼できる情報源をもとに記事を作成しています。

※1:Ⅱ 各論 1.エネルギー・栄養素|厚生労働省

※2:日本人の食事摂取基準(2025年版)の策定ポイント|厚生労働省

※3:「食べてダイエット!」② ~“バランス”でやせる~|読むらじる。|NHK

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