「一生懸命ダイエットしているのに、なぜか痩せない」
そんな人は、「食べる時間」に注目してみると、意外な突破口が見えてくるかもしれません。
実は、何を食べるかよりも「いつ食べるか」の方が体重の変化に直結するケースも多いのです。
そこで注目されているのが「8時間ダイエット」です。
8時間ダイエットは、毎日の食事を8時間以内で済ませるというシンプルなルールで成り立っています。
厳しい食事制限や特別な準備も必要なく、ルールを守るだけで気軽に取り入れられるのが魅力です。
この記事では、8時間ダイエットのやり方やルール、注意点などを解説します。
読み終えるころには、8時間ダイエットに取り組めるだけの知識が身についているはずです。ぜひ参考にしてみてください。
8時間ダイエットのルール
8時間ダイエットのルールは主に以下の4つです。
- 1日のうち「8時間だけ」食事ができる
- 基本的に食べ物の種類に制限はない
- 断食時間中はカロリー摂取を避ける
- 週に数回の実践でも効果が期待できる
ルールはシンプルなので、特別な準備は必要なく、すぐに始められます。
1.1日のうち「8時間だけ」食事ができる
8時間ダイエットは、「1日のうち8時間だけ食べてOK」というシンプルなルールで成り立っています。
それ以外の時間は断食を行います。
平日は仕事に合わせて12〜20時、週末は家族や予定に合わせて時間を調整するなど、柔軟に取り組めるのも魅力です。
2.基本的に食べ物の種類に制限はない
8時間ダイエットのルール2つ目は、食べ物の種類に制限がほぼないということです。
極端な糖質制限や脂質カットなどは必要ありません。
一般的な食事、たとえばカレーや唐揚げ、牛丼なども、タイミングを守れば基本的に食べてOKです。
ただし、高カロリー・高脂質な食事ばかりになると効果は薄れるため注意しましょう。
体重をしっかり落としたいなら、揚げ物などの頻度は控えめにして、バランスの良い食事を心がけることが大切です。
3.断食時間中はカロリー摂取を避ける
8時間が終わったあとは、カロリー摂取は禁止です。
水分補給は、水や無糖のお茶、ブラックコーヒーなどカロリーゼロの飲料で済ますことが基本です。
カロリーのあるドリンクや間食を摂ると、脂肪をエネルギーとして使う体の状態が崩れてしまい、ダイエットが失敗する可能性が高くなります。
どうしてもお腹が空く場合は、炭酸水を飲んで空腹感を和らげる方法もひとつです。
慣れてくると、8時間ダイエットのルールをきちんと守れるようになれます。
4.週に数回の実践でも効果が期待できる
8時間ダイエットは、週に2〜3回の実践でも十分に効果が期待できます。
むしろストレスを感じるくらいなら、身体や心に負担をかけず、無理なく取り入れる方が結果に結びつきやすいです。
週末だけ実践する、平日の2日間だけ8時間制限を取り入れるといった方法でも、体重や体調に変化が出る人も多くいます。
「夜食をやめる」「朝を抜く」だけでも、ダイエット効果が期待できるので、無理のない範囲ではじめることがおすすめです。
8時間ダイエットに取り組む4つのメリット
8時間ダイエットに取り組むメリットは以下の4つです。
- 摂取カロリーが減って自然に体重が落ちる
- 内臓を休ませることで不調が整いやすくなる
- 脂肪燃焼と代謝促進が期待できる
- 細胞が若返る「オートファジー」が活性化する
どんな方法も、効果を知っていれば続けやすくなるもの。8時間ダイエットのメリットを理解しておくことは、継続のモチベーションになります。
1.摂取カロリーが減って自然に体重が落ちる
8時間という限られた時間内で食事をすることで、自然と総摂取カロリーが減少します。
単純な計算ですが、食事できる時間が短くなれば、それだけ食べる量も制限されます。
1日3食だった人が2食に減らせば、食事内容を変えずともダイエット効果を実感しやすくなるでしょう。
厳しい食事制限ではなく、生活のリズムを整えることで痩せられる点が、8時間ダイエットが支持されている理由のひとつです。
2.内臓を休ませることで不調が整いやすくなる
朝昼晩の食事に加え、隙間時間にお菓子をつまむなど、気づけば1日中なにかを口にしている人も多いでしょう。
常に胃腸が働き続ける状態が続くと、消化器官は疲れてしまいます。
結果、胃もたれ・消化不良・便秘といった不調が現れやすくなることに。
8時間ダイエットは、空腹の時間をしっかり確保するため、内臓を休ませられます。
胃腸や腸内環境が整いやすくなり、消化や吸収の機能が本来の力を取り戻していくのです。
8時間ダイエットに取り組んだ人から「体が軽くなった」「朝スッキリ起きられるようになった」といった声が多いのは、内側から整ってきたサインともいえます。
3.脂肪燃焼と代謝促進が期待できる
8時間ダイエットでは、1日のうち16時間を「食べない時間」として確保します。
この断食状態が続くと、体は糖質を使い果たし、代わりに脂肪をエネルギー源として使い始めます。
つまり、「食べない時間」を確保することで、脂肪がどんどん燃えやすくなるというわけです。
この仕組みは「ケトーシス」と呼ばれ、体脂肪を効率よく燃やすメカニズムとして注目されています。
さらに、断食時間中は成長ホルモンの分泌が促され、代謝も活発になります。
脂肪燃焼と代謝促進の両方が期待できるため、ダイエット効率がぐっと高まるのです。
4.細胞が若返る「オートファジー」が活性化する
8時間ダイエットには、体重を減らすだけでなく、細胞を若返らせる効果があります。
その秘密は「オートファジー」という仕組みにあります。
オートファジーとは、かんたんにいえば細胞の中を掃除してくれるシステムのことです。
古くなったタンパク質や傷ついた細胞の部品を分解し、新しい材料として再利用します。
部屋の掃除と同じように、細胞も定期的にキレイにすることで、元気に働けるようになるのです。
オートファジーは、実は食事を控えることで活発になることがわかっています。
AMED(日本医療研究開発機構)の研究でも、断食によってオートファジーが促進されることが確認されました(※1)。
細胞の中がキレイになるとエネルギー生成の効率が上がるため、疲れづらい体を作りやすくなります。
また、細胞の働きが活発になることで、肌のターンオーバーが整いやすくなり、肌本来の美しさを引き出せるといった嬉しい効果も。
8時間ダイエットは、体の内側からコンディション調整もできる、優れた食生活と呼べるでしょう。
8時間ダイエットに取り組む4つのデメリット
8時間ダイエットに取り組むデメリットは以下の4つです。
- 空腹によるストレスが生じやすい
- 食欲を抑える自己管理が求められる
- 筋肉量が落ちるリスクがある
- 一時的に痩せてもリバウンドする可能性がある
8時間ダイエットは効果的な反面、人によっては注意すべき問題点やリスクもあります。
あらかじめ把握しておくことで、失敗を防ぎやすくなります。
1.空腹によるストレスが生じやすい
16時間の断食中に感じる空腹感は、8時間ダイエット最大の難関です。
初期の頃は、今まで当たり前だった朝昼晩という3食の生活リズムが崩れるため、強いストレスを感じやすいです。
空腹感によるストレスは、集中力の低下といった身体的な症状を引き起こすこともあります。
結果、仕事や勉強に悪影響を与える可能性も否定できません。
そのため、無理をせず徐々に体を慣らしていくアプローチが必要になります。
2.食欲を抑える自己管理が求められる
8時間ダイエットでは、決められた時間以外は食事ができないため、徹底した自己管理能力が必要です。
朝食を抜いて12時から20時までの8時間に食事を限定する場合、それ以外の時間はジュースや食べ物などを口にできません。
この厳格なルールを守り続けることが、ダイエット成功のカギです。
とくに難しいのが、夜間の空腹感との戦いです。
20時以降に小腹が空いても、翌日の12時以降まで我慢しなければなりません。
テレビを見ながらの間食や、仕事で遅くなった時の夜食も完全にNGです。
加えて、毎日同じ時間に食事を摂ること自体が難しい場合もあります。
仕事や人付き合いなどで時間がずれると、ルールを守るのが難しくなり、継続が困難になるケースもあるでしょう。
そんな時は、断食時間を16時間以上に延ばし、翌日の食事開始を後ろにずらす方法も有効です。
効果を実感するには、食事内容だけでなく、食事時間の管理も含めた計画的な行動が重要です。
3.筋肉量が落ちるリスクがある
長時間の断食状態では、体がエネルギー不足を感じて筋肉を分解(筋肉が減少)してしまう可能性があります。
タンパク質の摂取量が不足していると、このリスクはさらに高まります。
せっかく体重が減っても、それが筋肉の減少によるものだった場合、健康的なダイエットとはいえません。
また、筋力の低下は日常生活の質にも影響を与え、疲れやすさや体力不足を引き起こす原因になります。
このリスクを避けるためには、食事可能な時間内で十分なタンパク質を摂取することが大切です。
しかし、8時間という限られた時間では、必要な栄養素をバランス良く摂ることは困難でしょう。
こうした理由から、8時間ダイエットは短期的な体重減少には効果的かもしれませんが、長期的に続けることはおすすめできません。
4.一時的に痩せてもリバウンドする可能性がある
8時間ダイエットで一時的に体重が減少しても、やめた途端にもとの体重に戻ってしまうケースは多いです。
これは、根本的な食習慣や生活習慣が改善されていないことが主な原因です。
8時間ダイエット中は摂取カロリーが減ることで体重の減少が見込めます。
しかし、以前と同じ内容の食事にすると、ダイエットをはじめる前の体重に戻ってしまうのです。
また、ダイエット中に我慢していたぶんの反動で、過食に走ってしまう人も多く見られます。
本当の意味でのダイエット成功を目指すなら、長期的な生活習慣の改善に取り組むことが重要になるでしょう。
8時間ダイエットを成功させる5つのコツ
8時間ダイエットを成功させるコツは以下の5つです。
- 食事の内容と栄養バランスを意識する
- 筋トレや軽い運動を取り入れる
- 睡眠や空腹時間をうまく活用する
- カロリー過多にならないよう間食を調整する
- 減量は無理のないペースで進める
8時間ダイエットの効果をしっかり実感するには、ルールを守ることはもちろん、日々の工夫も欠かせません。
1.食事の内容と栄養バランスを意識する
8時間という限られた時間内だからこそ、食事の質にこだわることが重要です。
単にカロリーを制限するのではなく、体に必要な栄養をバランス良く摂取することで、健康的なダイエットがしやすくなります。
優先すべきはタンパク質の確保です。
1回の食事で手のひら大の肉や魚、卵などを意識的に摂るようにしましょう。
タンパク質は筋肉量の維持に不可欠です。
十分に摂取できていれば、筋肉の減少を抑え、健康的なダイエットがしやすくなります。
次に重要なのは、食物繊維です。
食物繊維は消化に時間がかかるため満腹感が持続し、血糖値の急激な上昇を抑える働きもあります。
また、腸内環境が整え、便秘になりづらいといったメリットもあります。
炭水化物は完全に避ける必要はありませんが、白米よりも玄米、うどんよりもそばといった具合に、GI値の低い食材を選ぶことがおすすめです。
2.筋トレや軽い運動を取り入れる
8時間ダイエット中は筋肉が減少しやすいため、意識的に筋力トレーニングを取り入れることが大切です。
本格的なジム通いは必要ありません。
自宅でできるかんたんな筋トレから始めてみましょう。
週2〜3回、1回15〜20分程度の筋トレで十分に効果が期待できます。
腕立て伏せやスクワット、プランクといった基本的な運動から始めて、徐々に回数や強度を上げていくのが理想的です。
とくに大きな筋肉である太ももやお尻の筋肉を鍛えることで、代謝のベースを底上げできます。
また、軽い有酸素運動も脂肪燃焼に効果的です。
朝の散歩や階段の利用、一駅分歩くなど、日常生活の中で取り入れやすい運動から始めてみてください。
ただし、無理は禁物です。
体調を見ながら、自分のペースで続けることが何より重要です。
睡眠や空腹時間をうまく活用する
8時間ダイエットのストレスを抑えるには、どのタイミングに断食時間を設定するかが重要です。
もし、夕方から夜にかけての時間帯を断食時間にしてしまうと、仕事終わりやリラックスしたい時間帯に食事ができず、ストレスを感じやすくなります。
一方で、食事の開始時間を昼以降に設定することで、午前中の空腹は多少あっても、昼から夜にかけては自由に食事ができるため、気持ちに余裕が生まれやすくなります。
夜の誘惑に負けにくく、継続しやすいという点でも昼スタートの食事スケジュールはおすすめです。
4.カロリー過多にならないよう間食を調整する
8時間ダイエットは時間内なら何を食べても良いですが、カロリー管理を意識したほうが体重減少は見込めます。
間食をする際は、ナッツやヨーグルトのように栄養価が高く、満足感のある食品を少量にとどめるのがポイントです。
ただし、ナッツは健康的でもカロリーが高いため、食べ過ぎには注意が必要です。
ジャンクフードや高カロリーな食品はできるだけ避け、野菜やタンパク質を中心に構成されたバランスの良い食事を心がけましょう。
また、8時間の食事時間内であっても腹八分目を意識することで、無理なく摂取カロリーを抑えながらダイエットを継続できます。
5.減量は無理のないペースで進める
急激な体重減少は、筋肉量の低下やリバウンドのリスクを高めます。
いきなりストイックにはじめてしまうと、ストレスにより暴飲暴食に走ってしまうこともあるでしょう。
最初の1〜2週間は体が慣れるまで辛く感じるかもしれませんが、ルールを守って継続することで、理想の体系へと近づいていけます。
焦らず、自分のペースで進めていきましょう。
8時間ダイエットで注意したい4つのポイント
8時間ダイエットで注意したいポイントは以下の4つです。
- 健康状態を確認しながら継続する
- 血糖値の急変を避ける食べ方を心がける
- 食べ過ぎにならないよう工夫する
- 栄養の偏りを防ぐ
8時間ダイエットを安全かつ効果的に続けるには、基本的なルールを守ることも大切ですが、いくつかの落とし穴にも注意が必要です。
1.健康状態を確認しながら継続する
持病がある人は、必ず医師に相談してから取り組みましょう。
血糖値のコントロールが必要な人は、断食の時間帯を調整する必要があります。
実践中も、体調の変化には注意を払うようにしてください。
めまいや頭痛、強い疲労感が続くときは、勇気を持って中断することも選択肢のひとつです。
また、女性は生理周期にも配慮しましょう。
生理前や生理中は、体調が不安定になりやすいため、無理せず自分の状態に合わせて調整することが、継続のポイントです。
2.血糖値の急変を避ける食べ方を心がける
16時間の断食後にいきなり高糖質な食事を摂ると、血糖値が急上昇し、インスリンの分泌が活発になってしまいます。
結果、脂肪が蓄積されやすくなり、ダイエット効果を薄めてしまうことに。
8時間ダイエットの効果を高めるためには、「ベジファースト」を心がけるのもひとつです。
ベジファーストとは文字どおり、はじめに野菜を摂取する食事法です。
食後血糖値の上昇を抑える効果が期待されているので、太る心配を減らしながら食事を楽しめます。
8時間という制限された中だからこそ、普段よりも食べ方を工夫することがダイエットを成功させるための秘訣です。
3.食べ過ぎにならないよう工夫する
8時間ダイエットの特徴は、食事の時間を制限することで、脂肪燃焼のスイッチが入りやすくなる点にもあります。
加えて、自然と摂取カロリーを抑えられるのも魅力のひとつです。
ただし、「時間内なら何をどれだけ食べてもOK」と考えるのは危険です。
限られた時間だからこそ、つい多めに食べてしまうケースも少なくありません。
たとえば、普段1,500kcalで生活している人が、2,000kcal以上を一気に摂ってしまえば、太ってしまう可能性もあります。
食べ過ぎを防ぐには、いくつかの工夫が有効です。
たとえば、食前にコップ1杯の水を飲む、小さめの器を使うといった方法です。
こうした小さな工夫を積み重ねることで、無理なく食べ過ぎを防ぎ、8時間ダイエットの効果をしっかり引き出せます。
4.栄養の偏りを防ぐ
8時間ダイエットでは食事時間が限られるため、栄養バランスが崩れやすくなります。
短い時間で必要な栄養素をすべて摂取するには、食材選びと組み合わせが重要です。
タンパク質、脂質、炭水化物の三大栄養素はもちろん、ビタミンやミネラルも意識的に摂取したいところです。
朝食には卵や納豆、昼食には魚や肉類、夕食には豆腐や鶏肉など、食事ごとに異なるタンパク源を取り入れるのがおすすめです。
野菜は、1日350g以上の摂取が好ましいと、厚生労働省により定められています(※2)。
どうしても不足しがちな栄養素は、サプリメントで補うのも一つの方法です。
バランスの良い食事こそが、健康的なダイエットの土台となります。
8時間ダイエットはルールを守れば誰でもできる
8時間ダイエットは、食事の時間を制限するだけというシンプルなルールが魅力です。
食事時間が制限されることで、摂取カロリーを抑えられるだけでなく、内臓を休ませたり、脂肪燃焼を促進したりと、体の内側からも変化をもたらします。
デメリットや注意点もありますが、理解し工夫すればリスクは減らせます。
まずは週に数回から始めて、自分に合ったペースで取り組むことが成功への近道です。
継続することで、体調や体型の変化をしっかり実感できるはずです。
ぜひ本記事を参考に、可能であれば今日から8時間ダイエットを始めてみてください。
内容の正確性を保つため、以下の信頼できる情報源をもとに記事を作成しています。
※1:「絶食」と「老化」で共通の機構がはたらく―オートファジーの活性化で肝臓に脂肪が蓄積
※2:栄養・食生活|厚生労働省