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断食に潜む7つのデメリット!やり方や注意点を元トレーナーが解説

「断食で一気に痩せたい」と思っても、「リバウンドが怖くて踏み切れない」などと悩みを抱えていませんか。

断食は短期間で体重を落とせる一方、体や心に大きな負担をかけるリスクがある方法です。

実際、急激なカロリー制限によって基礎代謝が下がり、もとの食事に戻した途端リバウンドしてしまうケースも少なくありません。

それでも、「今すぐ痩せたい」と思う人は多いはずです。

だからこそ、実践前に知っておきたいのが、断食に潜むデメリットです。

本記事では、断食に潜む7つのデメリットやメリット、やり方などを紹介します。

無理のない選択ができるようになります。

断食に潜む7つのデメリット

断食に潜む7つのデメリットをイメージできる画像

断食のデメリットは主に以下の7つです。

  • リバウンドリスクが高い
  • 気分が不安定になりやすい
  • 集中力が下がる
  • 運動のパフォーマンスが低下する
  • 筋肉量が減る
  • 空腹で強いストレスがかかる
  • 体重はすぐに落ちづらくなる

断食は短期間で体重を落とせる方法ですが、メリット以上にリスクが潜んでいます

断食は肉体的にはもちろん、精神面や日常生活にも悪影響を及ぼすことがあります。

ここでは、断食がもたらす7つのデメリットについて詳しく解説していきます。

正しい知識を身につけて、自分に合ったダイエット方法を見つけましょう。

断食のデメリット1.リバウンドリスクが高い

急激に食事を制限すると、体は飢餓状態だと判断して基礎代謝を下げてしまいます。

基礎代謝とは、何もしなくても消費されるエネルギーのことです。

断食を終えて普通の食事に戻すと、代謝が下がった状態で以前と同じカロリーを摂取することになります。

その結果、余ったエネルギーが脂肪として蓄積されやすくなるのです。

とくに断食期間が長いほど、体は栄養を溜め込もうとする傾向が強くなるため注意しましょう。

リバウンドを防ぐには、段階的に食事量を戻していく必要があります。

断食のデメリット2.気分が不安定になりやすい

断食中は血糖値の急激な変化により、イライラや不安感が増すことがあります。

食事を抜くと脳に必要なブドウ糖が不足し、感情のコントロールが難しくなるのです。

些細なことに対しても反応しやすくなり、場合によっては人間関係にも影響が出るでしょう。

普段から気分が不安定になりやすい人ほど、断食のデメリットを理解したうえで、実践すべきかどうかを判断する必要があります。

断食のデメリット3.集中力が下がる

断食によって脳のエネルギー源が不足すると、仕事や勉強の効率が低下します。

糖質が不足した状態では、思考力や記憶力などが低下してしまうのです。

とくに午後になると頭がぼーっとして、簡単な仕事でも失敗してしまうリスクが高まります。

生産性を維持しながら体重管理をしたいなら、適度な栄養補給は必須といえるでしょう。

断食のデメリット4.運動のパフォーマンスが低下する

断食中は筋肉を動かすためのグリコーゲンが不足している状態になります。

グリコーゲンとは、筋肉に蓄えられているエネルギー源のことです。

この状態で無理に運動を続けると、めまいや脱力感に襲われる危険があるのです。

私も筋トレと断食を並行することがありますが、とくに断食3日目あたりから、トレーニング中の立ちくらみがひどくなります

当然ですが、セット後半は集中できず、常にぼーっとした状態が続きます。

たとえるなら、軽度の立ちくらみが常に続く状態です。

当然、筋トレの質は下がってしまいます。

以上のことから健康的に体を鍛えたいなら、適切な栄養摂取とトレーニングのバランスが重要です。

断食のデメリット5.筋肉量が減る

断食中は体がエネルギー不足を補うため、筋肉を分解してエネルギーに変えてしまいます

せっかく筋トレで鍛えた筋肉も、断食によって失われる可能性があるのです。

筋肉量が減ると基礎代謝も下がり、太りやすく痩せにくい体質になってしまいます。

体重は減っても、実際には脂肪ではなく筋肉が減っているだけということもあります。

理想的なボディメイクを目指すなら、適度にタンパク質を確保しながら、脂肪を減らす方法を検討したいところです。

断食のデメリット6.空腹で強いストレスがかかる

食べたいものを我慢し続けることは、誰でもしんどいですよね。

とくに断食中は、食べ物の匂いに敏感になり、普段よりも食事への誘惑が増えてしまいます。

ストレスが限界に達すると、反動で暴飲暴食に走ってしまう人も少なくありません。

ストレスが仕事や人間関係に悪影響を及ぼすこともあるでしょう。

ダイエットは続けることが何より大切ですが、ストレスが溜まる一方ではいずれ続かなくなります。

以下の記事では、ダイエット中にストレスを軽減する方法について詳しく解説しています

ストレスをコントロールして痩せたい人は、合わせてお読みください。

ダイエット中にストレスが溜まる5つの原因!疲れた人に試してほしい7つの解消法

断食のデメリット7.体重はすぐに落ちづらくなる

断食を繰り返すと、体は少ないエネルギーで生きられるように適応してしまいます。

これは省エネモードのような状態で、カロリー消費が極端に少なくなるのです。

最初は体重が減っても、一定期間を過ぎると同じ方法では痩せなくなってきます

体がホメオスタシスという機能を働かせて、体重を維持しようとするからです。

ホメオスタシスとは、体の状態を一定に保とうとする仕組みのことです。

体重が停滞してしまうほとんどの理由に、ホメオスタシスが関係しているといっても過言ではありません。

断食中にもホメオスタシスは働きます。

私の経験上、断食で体重が完全に停滞することは考えづらいですが、3、4日目あたりから体重が減りづらくなります

最初は1日ごとに1kgほど減っていた体重も、途中から0.5kgほどしか減らなくなってくるのです。

1日0.5kgの減少でも大きな推移ですが、断食のしんどさを考えると割に合わないでしょう。

長期的な体重管理を成功させるには、極端な方法ではなく継続可能な生活習慣の改善が大切です。

断食に取り組む5つのメリット

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断食のメリットは以下の5つです。

  • 1日でダイエット効果が現れる
  • オートファジーが活性化する
  • デトックス効果が期待できる
  • 自制心が高まる
  • 免疫力の向上が期待できる

断食には体重減少だけでなく、体の内側にも良い影響を与えることがあります。

断食がもたらす5つのメリットについて、具体的に解説していきます。

断食に取り組むメリット1.1日でダイエット効果が現れる

経験上、体重が「身長(cm)−100」以上ある人は、断食に取り組むと1日で1kg以上体重が減る可能性があります

当然、身長に対して体重が多いほど、体重減少を期待できます

逆もしかりで、身長に対する体重が低い人ほど、断食の効果を実感しづらいです。

断食初期に見られる体重推移は、主に体内の水分量が減ることで起こる現象です。

食事を摂らないことで、消化器官に溜まっていた食べ物や水分が排出されます。

また、糖質制限により体内のグリコーゲンが使われると、一緒に蓄えられていた水分も放出されるのです。

さまざまな要因が重なり、見た目は細くなったように感じられますが、断食初期の体重減少は脂肪によるものではない点に注意が必要です。

断食に取り組むメリット2.オートファジーが活性化する

オートファジーとは、古くなった細胞の部品を分解して新しく作り直すシステムのことです。

細胞内の不要なタンパク質や損傷したミトコンドリアが除去され、新しいものに置き換わります。

ミトコンドリアとは、細胞内でエネルギーを作り出す小器官のことです。

この働きにより、肌の調子が整ったり、倦怠感が軽減されたり、疲れにくい体になったりする可能性があります。

このプロセスは、食事を16時間以上控えることで活発になるといわれています。

16時間断食という言葉があるのも、このオートファジーが関係しているのです。

断食に取り組むメリット3.デトックス効果が期待できる

断食中は消化器官が休まることで、体内の老廃物を排出する機能が高まります

普段は消化に使われているエネルギーが、体の浄化作業に回されるようになるのです。

デトックス効果により腸内環境が整うことで、便通が良くなる人も多くいます。

ただし、水分補給を怠ると老廃物の排出がスムーズに行われないため注意が必要です。

断食中も適切な水分摂取を心がけ、体の浄化機能をサポートしましょう。

断食に取り組むメリット4.自制心が高まる

空腹感に耐えることで、自制心を鍛えられます。

この自制心は、筋トレを継続する際にも大きな力となるでしょう。

また、仕事面でも自制心の影響は大きく、誘惑に流されずに集中力を維持する力につながります

食欲という本能的な欲求を我慢できるようになることで、ほかの行動にも良い影響が広がり、目標達成のスピードが上がるのです。

断食に取り組むメリット5.免疫力の向上が期待できる

ファスティングには免疫力の向上が期待できる働きがあるとされています( ※1)。

免疫力が向上することで、風邪や感染症への抵抗力が高まり、体調を崩しにくくなると考えられています。

ただし、極端な断食は逆に免疫を低下させるリスクもあるため、適切な方法で行うことが大切です。

そもそも断食とは

そもそも断食とはをイメージできる画像

断食とファスティング、どちらも食事を制限する点では共通していますが、その背景にある考え方はまったく違うものです。

断食は古くから宗教的な意味合いが強く、精神的な修行として行われてきました

一方でファスティングは、現代的な健康法として注目を集めています

この違いをおさえておくことで、ダイエットへの理解も深まります。

断食とは宗教・修行のための厳格な食事制限のこと

イスラム教のラマダンや仏教の断食行など、世界中のさまざまな宗教で実践されています。

目的は、欲望をおさえて精神を清めることにあります。

食事を断つことで、日常の執着から離れ、内面と向き合う時間を作るのです。

ファスティングとは健康や美容を目的とした食事制限のこと

ファスティングは、健康維持や美容効果を期待して行う、現代的な食事制限の方法です。

体内の老廃物を排出し、消化器官を休ませることで、体調を整えることを目指します。

酵素ドリンクやスムージーなどを取り入れながら行うことが多く、完全な絶食ではありません。

数日から1週間程度に設定されることが一般的です。

断食とファスティングの効果の違い

断食は精神的な成長や宗教的な達成感が主な効果となります。

心の浄化や集中力の向上を実感する人が多いようです。

一方で、ファスティングは体重の減少や肌の調子を整えるなど、身体面での変化を目的に行われます。

ただし、実際にはこの2つの言葉が明確に使い分けられる場面は少なく、日常会話では混同されがちです。

私自身も、健康目的でファスティングを行う際に「断食している」と言い表すことがあります。

どちらの言葉を使うかよりも、目的や体調に合わせて無理なく続けられるかどうかの方が大切です。

断食のやり方

断食のやり方をイメージできる画像

断食を始める前に、正しい方法と手順を理解することがとくに重要です。

以下のステップを踏むことで、体への負担をおさえながら断食に取り組めます。

  • 目標設定
  • 断食期間
  • 回復期間

無理のない範囲で計画を立て、体調と相談しながら進めていきましょう。

目標設定

断食を始める前に、減量目標を設定することが大切です。

断食は数あるダイエットの中でもとくに負担が大きく、継続が難しい方法です

「どのくらい減らしたいのか?」を具体的に決めていなければ、モチベーションが続かずに、失敗に終わる可能性が高くなります

経験上、断食は3、4日目以降から精神的な辛さが倍増するので、長くても3日以内の断食で落とせる体重を目標にしたいところです。

体重が「身長(cm)−100」以上ある人の場合、3日の断食で3kg減は期待できます

私は身長184cm、体重88kgでしたが、3日間の断食で体重は84〜85kgまで減りました(2年前なのでうろ覚えです)。

なお、このときの断食は1週間(水とカフェオレのみで生活)やりましたが、最終的に体重は82kgまで落ちました。

1週間の断食は健康面の観点からおすすめできませんが、参考になれば幸いです。

減量目標を設定することで、必要なおおよその断食日数がわかるようになるため、まずは、「3kg痩せたい」「5kg痩せたい」などと目標を決めましょう。

減量幅ごとの断食期間の目安

断食によって落ちる体重は、体格や代謝によって個人差はあるものの、一般的に1日あたり1kg前後の減量が期待できます。

目安として、3kgの減量には3日間、5kgなら5〜6日間ほどの断食期間が必要です。

まずは「何kg痩せたいか」を決めてから、それに見合う日数を逆算するのがポイントです。

回復食

断食後の回復食は、リバウンドを防ぐために最も重要なステップです。

断食で飢餓状態になった体は、栄養を吸収しやすい状態になっています。

いきなり通常の食事に戻すと、体が必要以上にカロリーを取り込んでしまいます

これが断食後のリバウンドの大きな原因となるのです。

最初はおかゆや野菜スープなど、低カロリーで消化のよいものから始めましょう。

3日間断食したなら、回復食も3日間は必要ということです。

この期間に焦って食べ過ぎると、断食前より体重が増えるデメリットもあります。

ゆっくりと体を通常の状態に戻すことが、リバウンドを防ぐカギです。

断食における3つの注意点

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断食の注意点は主に以下の3つです。

  • 水分を摂取する
  • 激しい運動は控える
  • 体調に異変を感じたらすぐにやめる

健康的な効果を得るつもりが、間違った方法で体を壊してしまっては意味がありません。

ここでは、断食を行う際に必ず守るべき3つの注意点について詳しく説明していきます。

これらの注意点を理解して、断食に伴うデメリットを少しでも減らせるよう心がけましょう。

注意点1.水分を摂取する

断食中でも水分補給は欠かせません。

厚生労働省は、1日で2.5Lの水が必要と発表しています(※2)。

このうち、1.2Lは水分摂取で補い、1.0Lは食事から摂取でき、残りの0.3Lは体内で作られるといわれています。

断食中は、食事で補えるはずの1.0Lがなくなってしまいます。

さらに、食事を取らない分、体内で作られる水分量も減ってしまう可能性が考えられるでしょう。

理論上、断食中は最低でも1日に2.2L以上の水分補給が必要ということです。

ただし、カフェインを含む飲み物は利尿作用があるため避けましょう

利尿作用とは、体から水分を排出しやすくする働きのことです。

ミネラルウォーターや麦茶など、体に負担の少ない飲み物を選んで水分補給を行うことがおすすめです。

注意点2.激しい運動は控える

エネルギー不足の状態で無理に運動をすると、低血糖や脱水症状を引き起こす可能性があります。

また、普段通りの激しさで運動をしてしまうと、本来のパフォーマンスを発揮できず、怪我のリスクが高まります。

さらに、断食中に筋肉を酷使すると、筋肉の分解が進んでしまうこともあります。

つまり、筋トレをしているのに、筋肉が減ってしまうという本末転倒の事態になるのです。

体力の回復を優先し、断食が終わってから本格的なトレーニングを再開するのが賢明です。

無理な運動は断食中のデメリットを増幅させる原因になるため、極力控えましょう。

注意点3.体調に異変を感じたらすぐにやめる

断食中に体調不良を感じたら、無理をせずにすぐに中止する勇気を持つことが大切です。

強い吐き気、激しい頭痛、極度の脱力感などは危険信号といえます。

これらの症状は、体が限界を超えているサインかもしれません。

また、手足のしびれや動悸、冷や汗が出る場合も要注意です。

持病がある人や体調に不安がある人は、医師の指導のもと、実践するか決めましょう。

断食を中止する際は、いきなり普通の食事に戻すのではなく、消化の良いものから始めることも大切です。

おかゆや具なしの味噌汁など、胃腸に負担をかけない食事から徐々に戻していきましょう。

健康を第一に考え、無理のない範囲で実践することが成功への近道です。

どうしても断食するならデメリットを理解して正しく行おう

どうしても断食するならデメリットを理解して正しく行おうをイメージできる画像

短期間で結果を求めたくなる気持ちはよくわかりますが、断食には想像以上のリスクが伴います。

急激なカロリー制限によって代謝が落ちれば、リバウンドの確率は一気に上がります

空腹によるストレス、筋肉量の減少、集中力の低下など、日常生活に悪影響が出ることもあるでしょう。

とくに断食は、継続が難しいダイエット法のひとつです。

だからこそ、始める前に「自分にとって本当に必要な方法なのか?」を見極めることが重要です。

痩せるだけでなく、健康や日常のパフォーマンスも守りたいなら、極端な断食よりもバランスの取れた方法を選ぶことをおすすめします。

内容の正確性を保つため、以下の信頼できる情報源をもとに記事を作成しています。

※1:1. 食育推進全国大会 in とやま 栄養素のロスを少なくし、「無駄なく、野菜と果物を食べま 2|農林水産省

※2:「健康のため水を飲もう」推進委員会 後援|厚生労働省

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