ダイエットに取り組んでいる最中に、急にふらっと立ちくらみを感じたことはありませんか。
それは一時的な体調不良ではなく、体が発する危険信号かもしれません。
とくに食事制限を中心とした無理なダイエットでは、栄養不足や水分・塩分のバランスが崩れ、脳への血流や酸素供給が追いつかなくなるリスクがあります。
健康的に痩せたいと願う人こそ、立ちくらみの原因とメカニズムを理解しておく必要があるのです。
この記事では、ダイエット中に立ちくらみを引き起こす代表的な原因と、それを防ぐための具体的な対策を分かりやすく解説していきます。
本記事の内容を実践することで、健康的なダイエットに一歩近づくのでぜひ参考にしてください。
Contents
ダイエット中に立ちくらみ・めまい・ふらつきが起きる5つの原因

ダイエット中に立ちくらみ・めまい・ふらつきが起きる主な原因は以下の5つです。
- カロリー不足
- 低血糖
- 貧血
- 水分不足
- 塩分不足
ダイエットを始めてから、急に立ち上がったときにクラッとすることはありませんか。
実は、ダイエット中の立ちくらみやめまいは、体からの重要なSOSサインなのです。
これらの症状が続くと、日常生活に支障をきたすだけでなく、転倒などの事故につながる危険性もあります。
原因を正しく理解して、適切に対処することが大切です。
ダイエット中に起こる立ちくらみの主な原因を5つ見ていきましょう。
原因1.カロリー不足
ダイエット中の立ちくらみで多い原因が、極端なカロリー不足です。
体を動かすためのエネルギーが足りなくなると、脳への血流が十分に確保できません。
とくに基礎代謝を下回るような食事制限は、体の機能を低下させてしまいます。
基礎代謝とは、生命を維持するために必要な最低限のエネルギーのことです。
30〜40代の男性なら1日1,530kcal、女性なら1,150kcalが基礎代謝量の平均です(※1)。
これを下回る食事を続けると、体は省エネモードに入ってしまいます。
カロリー不足が続くと、筋肉量も減少して、さらに代謝が落ちる悪循環に陥ります。
健康的に痩せるためには、適度なカロリー制限にとどめることが重要です。
原因2.低血糖
食事の間隔が空きすぎたり、糖質を極端に制限したりすると低血糖状態になります。
血糖値とは血液中のブドウ糖の濃度のことで、これが下がりすぎると脳がエネルギー不足に陥ります。
低血糖になると立ちくらみだけでなく、冷や汗や動悸、手の震えといった症状が現れる可能性もあります。
そのため、ダイエット中でも適度な糖質は必要です。
とはいえ、ご飯や揚げ物はGI値が高く、太りやすい食品です。
GI値とは、食後血糖値の上昇度合いを表す数値のこと。
GI値が低い食品ほど、ダイエットに適しています。
どのような食品が低GI値に該当するのか、詳しく知りたい人は以下の記事も合わせてお読みください。
GI値の食品一覧表ランキング!知らないと損する食事のコツも紹介
原因3.貧血
ダイエット中の食事制限で鉄分が不足すると貧血になりやすくなります。
鉄分は血液中のヘモグロビンを作る材料で、これが不足すると体中に酸素を運ぶ機能が低下します。
脳に十分な酸素が届かなくなると、立ちくらみやめまい、疲れやすさを感じるでしょう。
とくに女性は月経で鉄分を失いやすいため注意が必要です。
レバーやほうれん草、小松菜などの鉄分を多く含む食材を意識的に摂るようにしましょう。
ビタミンCと一緒に摂ると鉄分の吸収率が高まるため、食後に果物を食べるのもおすすめです。
原因4.水分不足
ダイエット中は食事量が減ることで、食事から摂取する水分量も自然と減少します。
体内の水分が不足すると血液の量が減り、血圧が下がって立ちくらみの原因になる可能性があります。
人の体は約60%が水分でできており、わずか2%の水分が失われただけでも脱水状態となり、体調に影響が出るとされています。
とくに運動を取り入れたダイエットをしている場合、汗で失われる水分量も増えるため意識的な水分補給が必要です。
1日に必要な水分量は2.5Lとされていますが、このうちの1.3Lは食事から摂れたり、体内で生成されたりします(※2)。
不足分の1.2Lを水分摂取で補うことで、ダイエット中の立ちくらみを抑えやすくなります。
原因5.塩分不足
塩分を控えすぎるとナトリウム不足になり、ダイエット中の立ちくらみやふらつきの原因になります。
ナトリウムは体内の水分バランスや血圧を調整する大切な役割を持っているミネラルです。
ダイエット中に塩分を極端に減らすと、血圧が低下して脳への血流が不足します。
塩分は摂りすぎもよくありませんが、適度な量は体に必要です。
汗をかく運動をした後は、とくに塩分補給を忘れないようにしましょう。
塩分補給用の飴玉もコンビニやスーパーで売っていることもあるため、ダイエット中の立ちくらみを防ぐために活用するのもひとつです。
立ちくらみとはおさらば!健康的なダイエット法3選

健康的なダイエットに取り組むためのポイントを以下の3つ紹介します。
- PFCバランスを意識する
- 週150分以上の運動に取り組む
- 最低でも6時間睡眠を確保する
ダイエット中の立ちくらみに悩んでいる人は、今の方法を見直すタイミングかもしれません。
健康的に痩せるためには、体の仕組みを理解して、バランスの取れたアプローチが必要です。
ダイエット法1.PFCバランスを意識する
PFCバランスとは、たんぱく質(Protein)、脂質(Fat)、炭水化物(Carbohydrate)の割合のことです。
この3つの栄養素をバランスよく摂ることで、立ちくらみを防ぎながら健康的に痩せられます。
理想的な割合は、たんぱく質が13%~20%、脂質が20%~30%、炭水化物が50%~65%とされています。
たとえば1日1,500kcalを摂取する場合、PFCバランスは以下のようになります。
- たんぱく質:約195〜300kcal(約49〜75g)
- 脂質:約300〜450kcal(約33〜50g)
- 炭水化物:約750〜975kcal(約188〜244g)
とくにたんぱく質は、筋肉を維持しながらダイエットするために欠かせません。
炭水化物を極端に減らすと低血糖になりやすいため、適度に摂る必要があります。
糖質制限を行う場合でも、適切な量の糖質は確保しましょう。
脂質も、オメガ3脂肪酸などの良質な脂から摂取することで、ダイエット中の体調バランスを整え、立ちくらみの原因を減らすサポートをしてくれます。
PFCバランスを日々の食事に取り入れて、ダイエット中の立ちくらみを防ぎたい人は以下の記事もお読みください。
ダイエット中に意識したい栄養バランスの基本!朝・昼・晩の食事メニューも紹介
ダイエット法2.週150分以上の運動に取り組む
WHO(世界保健機関)は、成人に週150分以上の運動を推奨しています(※3)。
これは1日約20〜30分の運動を週5回行う計算になります。
急な激しい運動は立ちくらみの原因になりますが、適度な運動は血流や心臓のポンプ機能を促進して、立ちくらみやめまいなどの予防につながるのです。
会話ができる程度の速さでのウォーキングや軽いジョギングなど、中強度の運動を心がけましょう。
最初は週3回、1回20分程度から始めて、徐々に時間と頻度を増やすことで、立ちくらみを感じにくい体へと整えていきましょう。
運動前後のストレッチも忘れずに行うことで、怪我のリスクを下げつつダイエットに取り組めます。
ダイエット法3.最低でも6時間睡眠を確保する
睡眠不足は、ダイエットの大敵であり、立ちくらみの原因にもなります。
睡眠が不足すると、食欲を増進させるグレリンというホルモンが増えてしまいます。
逆に、満腹感を感じさせるレプチンが減少するため、過食につながりやすくなるのです。
厚生労働省は、最低でも1日6時間以上の睡眠を推奨しています(※4)。
睡眠時間が足りていない人は、普段よりも早く布団に入るなど、できるところから改善していきましょう。
ダイエット効果を高める睡眠方法を知りたい人は、合わせて以下の記事もお読みください。
ダイエット中の睡眠時間は何時間必要?5時間未満は肥満リスクが高くなる
立ちくらみの原因はダイエットのやり方にあった

ダイエット中に立ちくらみが起こる原因には、カロリー不足・低血糖・貧血・水分不足・塩分不足など、見逃せない体のSOSが潜んでいます。
とくに、極端な食事制限は健康を損なうリスクを高めてしまいます。
だからこそ、PFCバランスを整えた食事、週150分の適度な運動、6時間以上の十分な睡眠など、体に優しいダイエット法を意識することが大切です。
本記事の内容を参考に、立ちくらみの原因を理解しながら、正しいダイエット方法で、美しく健康的な体づくりを目指していきましょう。
内容の正確性を保つため、以下の信頼できる情報源をもとに記事を作成しています。