「ホエイプロテインを飲むとお腹を壊してしまう」などと悩んでいる人もいるでしょう。
お腹を壊している状態(下痢)は栄養の吸収効率が下がっており、プロテインの効果が弱まっています。
そのため、運動やダイエットを頑張っている人ほど、お腹を壊す原因を知り、早期の対策が必要です。
そこで本記事では、ホエイプロテインでお腹を壊す原因とその対策法を紹介します。
また、下痢になるとホエイプロテインの意味がなくなるのかについても触れているので、ぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
- ホエイプロテインでお腹を壊す原因
- ホエイプロテインでお腹を壊さないための対策
- ホエイプロテインで下痢になると意味がないのか
Contents
ホエイプロテインでお腹を壊す7つの原因

ホエイプロテインでお腹を壊す原因は主に以下の7つです。
- 乳糖をうまく分解できない(乳糖不耐症)
- 人工甘味料が腸に負担をかけている
- タンパク質量が多すぎて消化しきれていない
- 冷たいドリンクで割ってお腹が冷えている
- 運動直後に一気飲みして刺激になっている
- 消化酵素(プロテアーゼ)が不足している
- もともとの腸内環境が乱れている
原因を知ることで対策が取れるようになります。
ホエイプロテインと上手に向き合うためにも、お腹を壊す原因を押さえておきましょう。
原因1.乳糖をうまく分解できない(乳糖不耐症)
ホエイプロテインでお腹を壊す原因のひとつは、乳糖不耐症です。
乳糖不耐症とは、牛乳に含まれる糖分(乳糖)を分解する酵素が不足している状態を指します。
この乳糖をうまく消化できないと、腸内で発酵が起こってガスが発生します。
結果として、お腹の張りや下痢、腹痛などの症状が現れてしまうのです。
原因2.人工甘味料が腸に負担をかけている
美味しさをキープしつつカロリーを抑える目的で、ホエイプロテインには人工甘味料が使われることが一般的です。
人工甘味料は、体内で消化・吸収されにくい特徴があります。
結果、消化されなかった分が大腸まで届き、腸内環境を乱してしまう可能性があります(※1)。
原因3.タンパク質量が多すぎて消化しきれていない
ホエイプロテインでお腹を壊す原因として、単純にタンパク質の摂取量が多すぎることも挙げられます。
消化しきれなかったタンパク質は、腸内で腐敗してガスを発生させます。
その結果、お腹の不快感や下痢につながってしまうのです。
製品ごとに定められた分量を守るようにしましょう。
原因4.冷たいドリンクで割ってお腹が冷えている
ホエイプロテインを冷水や冷たい牛乳で割って飲む人は多いですよね。
しかし、冷たい飲み物は胃腸の動きを鈍らせる原因になります。
とくに朝一番や運動直後は、内臓が敏感な状態です。
そこに冷えたホエイプロテインを流し込むと、お腹を壊すリスクが高まってしまいます。
原因5.運動直後に一気飲みして刺激になっている
トレーニング直後にホエイプロテインを一気に飲むと、お腹を壊すことがあります。
運動中は血液が筋肉や心臓に集中しているため、消化器官の働きが低下しています(※2)。
そこに、いきなり大量のホエイプロテインが入ってくると、胃腸が対応しきれずお腹を壊してしまうのです。
原因6.消化酵素(プロテアーゼ)が不足している
ホエイプロテインでお腹を壊す原因のひとつに、消化酵素(プロテアーゼ)の不足があります。
プロテアーゼとは、タンパク質を分解する酵素のことです。
この酵素が不足していると、プロテインをうまく消化できません。
その結果、タンパク質が腸に残りやすくなり、ガスの発生や下痢につながってお腹を壊しやすくなります。
原因7.もともとの腸内環境が乱れている
腸内環境が乱れていると、ホエイプロテインでお腹を壊しやすくなります。
前提として、腸内には善玉菌と悪玉菌がバランスよく存在することが理想的です。
しかし、偏った食生活やストレスによってこのバランスが崩れることがあります。
腸内環境が悪化すると、消化吸収能力が低下してしまうのです。
その結果、ホエイプロテインのように消化にエネルギーを使う食品を摂った際にお腹を壊しやすくなります。
ホエイプロテインでお腹を壊さないための対策6選

ホエイプロテインでお腹を壊さないための対策を以下の6つ紹介します。
- 乳糖の少ないプロテインに切り替える
- 人工甘味料・添加物の少ない製品を選ぶ
- まずは少量から飲み始めて慣らしていく
- 摂取タイミングや分量を調整する
- 腸内環境を整えて消化吸収をサポートする
- 冷たい水ではなく常温〜ぬるめで溶かす
お腹まわりの不調は、ちょっとした工夫で解決できることがあります。
それぞれの対策法を見ていきましょう。
対策1.乳糖の少ないプロテインに切り替える
乳糖の少ないプロテインは以下の3種類です。
- WPI
- ソイプロテイン
- カゼインプロテイン
プロテインごとの特徴を紹介します。
WPI
ホエイプロテインでお腹を壊す人には、WPI(ホエイプロテインアイソレート)がおすすめです。
WPIとは、特殊な製法で乳糖をほとんど取り除いたプロテインのことです。
通常のホエイプロテイン(WPC)と比べて、乳糖含有量が1%未満まで減らされています。
そのため、乳糖不耐症の人でもお腹を壊さずに飲めることが多いです。
価価格は少し高めですが、消化吸収も早くタンパク質含有率も90%以上と高品質です。
ホエイプロテインでお腹を壊す人は、まずWPIから試してみてください。
ソイプロテイン
ホエイプロテインでお腹を壊す場合、ソイプロテインへの切り替えもおすすめです。
ソイプロテインは大豆を原料としており、乳糖は一切含まれていません。
植物性タンパク質なので、乳製品が体に合わない人でも安心して飲めます。
さらに、消化吸収がゆっくりなため、腹持ちが良いというメリットもあります。
お腹を壊す人でも、無理なくプロテイン摂取を続けたいという人にぴったりです。
ソイプロテインについて詳しく知りたい人は、以下の記事も合わせて参考にしてください。
ソイプロテインはダイエットに効果ある?購入前に知ってほしい真実と選び方
カゼインプロテイン
ホエイプロテインでお腹を壊してしまう人には、カゼインプロテインもおすすめです。
ホエイプロテインと同じ牛乳由来ですが、カゼインは乳糖含有量が比較的少ないのが特徴です。
さらに、ゆっくりと消化吸収されるため、胃腸への負担が少なめ。
就寝前に摂取することで、睡眠中の筋肉分解を防ぐ効果も期待できます。
ただし、完全に乳糖フリーではないため、重度の乳糖不耐症の人はお腹を壊してしまう可能性があります。
この場合は、ソイプロテインへの切り替えを検討しましょう。
カゼインプロテインや睡眠中の筋肉分解について詳しく知りたい人は、以下の記事も合わせて参考にしてください。
カゼインプロテインはダイエットに効果あり?ホエイ・ソイとの違いと選び方を紹介
睡眠中に筋肉分解が進む理由はアミノ酸の不足にある!寝ている間も筋肉を守る方法とは?
対策2.人工甘味料の少ない製品を選ぶ
ホエイプロテインでお腹を壊さないためには、成分表示を確認することが大切です。
人工甘味料が多い製品は、消化しづらく、腸に負担をかけやすいです(※1)。
無添加やオーガニックのプロテインを選ぶことで、お腹のトラブルを避けられる可能性が高まります。
味は薄くなるため、はちみつを加えるなど飲みやすいように工夫しましょう。
対策3.まずは少量から飲み始めて慣らしていく
ホエイプロテインでお腹を壊す人は、いきなり規定量を飲むのではなく、まずは少量から始めてみてください。
大抵のホエイプロテインは、一回あたりの摂取量が20g前後です。
最初は10g程度から始めて、1週間ごとに5gずつ増やすなど、徐々に慣らしていきましょう。
なお、慣れたからといって規定量以上を摂取するのはNGです。
消化しきれなかったタンパク質は腸内で腐敗してガスを発生させ、これがお腹周りの不調につながるためです。
焦らずゆっくりと量を増やしていけば、最終的に規定量まで飲めるようになるでしょう。
対策4.摂取タイミングや分量を調整する
ホエイプロテインでお腹を壊さないためには、摂取タイミングの工夫も必要です。
一度にまとめて摂取するのではなく、1日2〜3回に分けて飲むことで消化器官の負担を和らげられます。
たとえば、1回の規定量が30gのホエイプロテインなら、朝昼夜に10gずつ飲むことで負担を軽減できます。
ホエイプロテインでお腹を壊す人は、摂取タイミングや分量を調整してみましょう。
対策5.腸内環境を整えて消化吸収をサポートする
ホエイプロテインでお腹を壊す人は、腸内環境を整えることが大切です。
腸内の善玉菌が増えると、消化吸収がスムーズに行われ、その分胃腸への負担が軽減されます。
日頃からヨーグルトや納豆といった発酵食品を取り入れて、「腸活」に励んでみてください。
対策6.冷たい水ではなく常温〜ぬるめで溶かす
ホエイプロテインでお腹を壊す人は、常温やぬるま湯で溶かすだけで改善することがあります。
冷たい飲み物は胃腸の動きを鈍らせ、消化不良を引き起こしやすくします。
常温の水なら内臓への刺激が少なく、消化吸収がスムーズです。
40度程度のぬるま湯で溶かせば、温度が原因でお腹を壊してしまうリスクを下げられるでしょう。
ホエイプロテインで下痢になると意味がないのか

ホエイプロテインで下痢になると、残念ながらプロテインの効果は下がってしまいます。
消化不良を起こしている状態では、腸でのタンパク質吸収がうまくいかないからです。
ただし、まったく吸収されないわけではありません。
少量は吸収されるため、効果は薄いですが飲む意味はあります。
とはいえ、吸収効率が落ちるのは事実なので、下痢の原因を特定して適切な対策を取ることが大切です。
ホエイプロテインでお腹を壊すときは種類・飲み方を見直そう

ホエイプロテインでお腹を壊す原因は、乳糖の消化不良や人工甘味料、摂取タイミングなど、さまざまな要素が重なって起こります。
体に合わないまま摂取を続けていると、プロテインが上手く吸収されずに効果が弱まってしまいます。
ですが、ホエイからWPIやソイプロテインに変えたり、常温で溶かしたりすることで対策は可能です。
本記事を参考に、腸の不調に悩まされない、快適なプロテイン習慣を目指していきましょう。
内容の正確性を保つため、以下の信頼できる情報源をもとに記事を作成しています。
※1:腸菌細菌が人工甘味料の過剰摂取によって引き起こされる下痢を防ぐことを発見-「人工甘味料消費細菌」のプロバイオティクス利用に期待-:[慶應義塾]